どうも、まさひろです。
僕はこのブログで中居正広さん主演ドラマ「白い影」や草なぎ剛さん主演映画「ミッドナイトスワン」に関しての記事を書かせて頂いています。
僕はSMAPが好きで、とくにSMAPの皆さんが主演するTVドラマが好きなんです。今後もこのブログでは彼らの主演作品に関しての記事を書いていく予定です。
年齢的にもSMAPを観て聴いて育った世代なので、他のアイドルグループとは思い入れが違うわけです。
また彼らの歌う作品は平成から令和に時代が変わっても名曲として人々に記憶され続けています。
学校の音楽の教科書に載ったり、卒業式で歌われたり。
またジャニーズの後輩アイドルグループがTVの歌番組でカバー歌唱したり、
桑田佳祐さん、小田和正さん、杏里さんなどが自身のライブやアルバム等でSMAPの作品をカバーされていることも有名です。
(ちなみに小田和正さんの音楽番組「クリスマスの約束」でSMAPの中居正広さんと2人で歌った「夜空ノムコウ」は今も僕の中で印象に残っています)
なかでも、今回取り上げたいのがSMAPの名曲「夜空ノムコウ」
作詞はミュージシャンのスガ・シカオさん、作曲は川村結花さん。
1998年1月にリリースされオリコン週間シングルチャートで初登場1位を記録。さらにSMAP初のミリオンセラーシングルとしてSMAP歴代シングル売り上げ2位を誇る
SMAPの代表曲のひとつです。
(ちなみにSMAP歴代セールス1位の作品は「世界にひとつだけの花」。3位が「らいおんハート」です)
「夜空ノムコウ」の歌詞は、作詞を担当したスガ・シカオさんが浪人時代に付き合っていた彼女とお茶の水の公園で過去や未来などさまざまな話をしていたことがモデルになっているのは有名な話ですが、今回はあえて「夜空ノムコウ」の歌詞に関して独自解釈をしていこうと思っています。
夜空ノムコウ歌詞の意味解釈① 明日がやってくるのではなく、もう待っている
あれから僕たちは 何かを信じてこれたかな
夜空のむこうには 明日がもう待っている
まずは冒頭の歌詞から解釈をしていきます。
歌詞は「あれから」という言葉から始まっています。
この「あれから」は「過去のある日」を指し示しており、「過去のある日」がこれから始まるストーリーの起点となっていると読み解くことができます。
続いて「何かを信じてこれたかな」の部分。
「過去のある日」から今、この瞬間まで「何かを信じてこれたのか?」という疑問を提示しています。この信じる「何か」についてはなんであるのかは具体的に提示されていません。
次の「夜空のむこう」。夜空は星が輝いてはいますが暗闇です。
そして「明日がもう待っている」ここでは「明日がやってくる」ではなくて「もう待っている」という部分がポイント。僕らがやってくることを、明日が待っているんですね。要するに明日の方からやってきてくれるのではなく、僕ら側が何があろうと前に進んでいくしかないことを暗示しています。
ここまでの部分は
「あの日から何かを信じて今までやってこれたかは分からない。ただし何が起ころうとも明日に向かって進んでいくしかないことだけは確か」と解釈できます。
夜空ノムコウ歌詞の意味解釈② 世間の常識から自分の心を守った主人公
誰かの声に気づき 僕らは身をひそめた
公園のフェンス越しに 夜の風が吹いた
「誰かの声」とは、僕は「世間の常識」を指していると解釈しました。そしてその「世間の常識」に対して逃げるように僕らは自分の世界を守るために見つからないように身をひそめたと。
続いて「公園のフェンス」とは僕らの自分の心を「世間の常識」から守る防波堤の役割を果たしており、その防波堤に「夜の風」=「世間の常識」が吹いたと解釈しました。
君が何か伝えようと にぎり返したその手は
僕の心のやわらかい場所を 今でもまだしめつける
「君」とは自分ではないほかの誰かを指していると考えるのが普通ですが、ここでは「君」とは「過去の自分」を指していると大胆に解釈してみます。そうすると後の歌詞の解釈が変わってくるので。
何かを伝えようと「にぎり返したその手」とありますが、ここでは言葉を発していないことが読み取れます。言葉ではなく、過去の自分の手の具体的な感触が残る。
「僕の心のやわらかい場所」とは、世間の常識から「公園のフェンス」という防波堤によって守られている心の内面を指しており、世間の常識から自分の心の内面を守っていた「過去の僕」が今の世間の常識に従って生きるしかない今の僕の心に向かって「それでいいのか?」と問いかけてくる。
抽象的な言葉としてではなく、過去の僕の具体的な姿とともに。
あれから僕たちは何かを信じてこれたかな
窓をそっと開けてみる 冬の風のにおいがした
悲しみっていつかは 消えてしまうものなのかなぁ
タメ息は少しだけ 白くなってすぐ消えた
ここでは、過去を振り返る主人公の姿が描かれています。
「窓」とは過去の記憶を指しており、「窓をそっと開けてみる」とは、過去の自分の記憶を思い出してみることを明示しています。そして「冬の風のにおいがした」とは、誰かの声に気づき身をひそめた過去の僕の記憶を思い出したという動作を指し示しています。
そんな過去の自分を思い出した主人公は「世間の常識」を受け入れて自分の心を守れなかった今の自分に対して、少し悲しさを感じるものの、その悲しみは今の生活の中ですぐに消えてしまいます。
ここまでで1番の歌詞は終了し、続いて2番の歌詞に入っていきます。
夜空ノムコウ歌詞の意味解釈③ 過去の自分と今の自分を対比
歩き出すことさえも いちいちためらうくせに
つまらない常識など つぶせると思っていた
前に進むことさえためらい、いつしか現状維持を望む自分の姿を示しているのが
「歩き出すことさえも いちいちためらうくせに」の部分。
そんな今の自分に対して
「つまらない常識など つぶせると思っていた」過去の自分が対比されています。
1番の歌詞で、世間の常識に自分の心が従うことを拒絶して身をひそめた過去の自分はいつからか生活をしていくうえで気づかぬうちに、その世間の常識を受け入れて生きていることに気づきます。
君に話した言葉は どれだけ残っているの?
僕の心のいちばん奥で から回りし続ける
「君」=「過去の自分」が
「話した」=「誓っていた」
世間の常識にとらわれることなく、いつまでも自分の心を守って生きていこうとあの日誓った言葉は、今の僕のなかにどれだけ残っているのだろうか(自問自答)。
「僕の心のいちばん奥」とは、世間の常識から今も守られ続けている自分の心の内面のなかで今も、世間の常識にとらわれることなく、いつまでも自分の心を守って生きていこうとあの日誓った言葉は居場所を見つけられずに「から回りし続けています」
あのころの未来に 僕らは立っているのかなぁ
すべてが思うほど うまくはいかないみたいだ
世間の常識から自分の心を守っていたあの日の自分が夢見ていた「あのころの未来」。その未来に僕らは立っているのだろうかという疑問を自分に投げかける主人公。
その疑問に対しての答えを次のフレーズが示します。
「すべてが思うほど うまくはいかないみたいだ」
あの日思い描いていた未来を歩んでいない今の自分の現状。
あのころ思い描いた未来と今とでは違うんだという少し諦めの気持ちが表されています。
このままどこまでも 日々は続いていくのかなぁ
雲のない星空がマドの向こうに続いている
あの頃思い描いた輝かしい未来とは違う今がこれからも続いていくのかという少し諦めの気持ちがまじった自分に問いかける主人公。
ふと思い出すのがあの日の自分の姿。
世間の常識の雲におおわれた今の生活と比べて、過去の自分が思い描いた「雲のない星空」では、数多くの星が輝いており、今の自分にはまぶしすぎて目を背けたい想いを抱いています。
夜空ノムコウ歌詞の意味解釈④ 信じればうまくいく確かなものなんてない
いよいよ最後サビの歌詞に突入します。
あれから僕たちは 何かを信じてこれたかなぁ
夜空のむこうには もう明日が待っている
再び自分への問いかけが続きます。
過去のあの日から僕たちは、今にいたるまで何を信じてここまで生きてきたのか?
そして、これからも何を信じて生きていけばいいのか?
その問いかけに対しての答えはない。
正確には、誰もが信じるものなんて「ない」のが正しく、「信じればうまく生きていける」確かなことやものなどこの世には存在しないことだけが確か。
さらに、時間は僕たちの気持ち(漠然な不安)に関係なく過ぎ去っていくことだけが確かであるということが「もう明日が待っている」という部分で締めくくられています。
夜空ノムコウ歌詞の意味解釈まとめ 問いかけに対しての答えはない
「夜空ノムコウ」には「~かなぁ」と随所に自分に対しての問いかけが挟まれていますが、その問いかけに対しての明確な答えは歌詞内では提示されていません。
これは、リスナーを突き放しているのではなく、
そもそも人生に答えなどない
ことを表していると思います。
今は情報が多すぎるので、ついついどれもが正しい情報に思えて、人生の答えを探してさまよい自分を見失ってしまいがちです。
しかし、そんな必要はないことがこの「夜空ノムコウ」の歌詞を読んでいくと分かってきます。
確かな人生の答えなど存在せず、唯一たしかなことは死なない限り「明日が待っている」ことだけ。しかもその明日は自分からあなたに向かっていきはしない。ただ待っているだけ。
だから誰にも明日がどんな日になるかは分かりません。
確実なのは、過去でも未来でもなく、この今という瞬間だけ。
だからこそ今この時を大切にしようというメッセージを僕は
「夜空ノムコウ」から受け取りました。
また「夜空ノムコウ」に登場する主人公は、過去の自分と今の自分を比べてはいるものの、
「タラレバがない」んです。
「あのとき、ああしていれば良かった」
「このとき、こうしていれば良かった」
過去を悔やむことは人間なら誰しもあることですが、「もしあのとき〇〇だったら」とタラレバの話をするときって、何も生み出さないんですよね。
タイムマシーンがない限り、過去に戻ってやり直すなんてことができないわけです。
そのことを「夜空ノムコウ」の主人公はよく分かっていて、過去の出来事もすべて
自分で飲み込んで、自分を待つ明日に向かって進んでいっているんですね。
こうやって歌詞を読めば読むほど、人生を考えさせてくれる。
「夜空ノムコウ」は素晴らしい作品ですね。
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